中国主要観光スポットの実名予約の仕組み

中国国内の大半のA級観光スポットでは、来場者数のコントロールと安全管理のため、実名制の事前予約制度を導入している。制度導入当初は中国の居民身分証による認証が主なルートだったが、現在は外国人、香港・マカオ・台湾地区からの来訪者など、中国身分証を所持しない利用者向けの予約ルートも順次整備されている。

中国身分証を持たない利用者の予約ルート

各観光スポットの公式発表および公認予約プラットフォームの規定によると、中国身分証を持たない利用者が利用できる予約ルートは複数存在する。

各観光スポットが自前で運用する公式WeChatミニプログラム・公式SNSアカウント、公式ウェブサイトからの予約が最も基本的なルートだ。大半の主要観光スポットの予約システムには書類種別の選択項目が設置されており、中国身分証以外の有効書類を選択して必要情報を入力することで予約が完了できる。

予約時に使用可能な有効書類は、各国発行の有効なパスポート、香港・マカオ居民大陸通行証、台湾居民大陸通行証、中華人民共和国外国人永久居留証の4種類が各プラットフォーム共通で認められている。

観光スポットが公認するオンライントラベルエージェンシーのプラットフォーム経由の予約も広く利用されている。Trip.com(携程)、Fliggy(飛猪)、Meituan(美団)などの正規代理予約プラットフォームでは、非中国身分証保持者向けの専用予約入口を設けており、該当する書類情報を入力することでチケットの購入が可能だ。予約完了後は登録した連絡先に予約確認通知が送付される。

オンラインでの手続きが難しい場合は、観光スポット現地に設置された有人チケット窓口で、有効な原本書類を提示することで直接チケットを購入し入場することも可能だ。

予約から入場までの共通規定

実名予約制度の運用規定に基づき、非中国身分証で予約を行う場合、いくつかの共通ルールが適用される。

予約時に入力する氏名の綴り、書類番号は、入場時に提示する原本書類の記載内容と完全に一致している必要がある。情報に誤りがある場合、予約が無効となり入場できない場合がある。

入場時には予約に使用した書類の原本の提示が必須となる。書類の電子コピー、写真、スキャンデータは、原則として身分確認のための有効な証憑として認められない。

来場者数の制限が厳しい一部の人気観光スポット(故宮博物院、八達嶺長城、秦始皇兵馬俑博物館など)では、非中国身分証保持者向けの入場枠が中国身分証保持者の枠とは別に設定されている。各スポットの予約受付開始日は中国身分証保持者向けの枠と同一である。

ごく一部の小規模観光スポットではオンライン予約システムが中国身分証以外の書類に対応していないケースがあるが、その場合でも現地窓口での書類確認によるチケット購入が可能となっている。

無料入場の対象となる場合(身長制限に満たない幼児、規定年齢以上の高齢者、障害者手帳保持者など)は、予約に使用した身分書類に加え、無料入場の対象であることを証明する書類の原本を提示する必要がある。

よくある質問と回答

Q. オンライン予約画面でパスポートなどの書類情報を入力しても予約が完了できない場合はどうなるか

A. 各観光スポットの公表によると、システム上の理由でオンライン予約が完了できない場合でも、現地の有人チケット窓口にて有効な原本書類を提示することでチケットを購入できる。一部の観光スポットでは専用のサービスホットラインを設置しており、電話での予約に関する問い合わせを受け付けている。

Q. 香港・マカオ・台湾地区の住民は大陸部の住民と同じルートで予約手続きができるか

A. 香港・マカオ居民大陸通行証、台湾居民大陸通行証は全ての公式予約ルートで有効な身分証明書類として指定されている。予約時に該当する書類種別を選択し、必要な情報を正確に入力することで、オンライン予約を完了することが可能である。

Q. 予約手続きを済ませた後、予約に使用した書類を忘れた場合入場は可能か

A. 実名予約制度の規定上、入場時には予約時に登録した本人の書類原本の提示が必須となる。大半の観光スポットでは、原本を所持していない来場者の入場は認められていない。

Q. 家族や知人など第三者が代理で非中国身分証保持者のチケットを予約することはできるか

A. 代理予約を行うこと自体は可能だが、その際には実際に入場する人物の書類情報を正確に入力する必要がある。入場時には、チケットに記載された人物本人の書類原本の提示が求められる。

Q. パスポートの名前表記で大文字・小文字の違いがあると予約は無効になるか

A. 各予約システムでは、入力された氏名の綴りがパスポート原本に記載された内容と完全に一致することを求めている。綴りや表記に相違がある場合、本人確認ができず入場を断られるケースが公表されている。

なお、各観光スポットの予約ルールや受け入れ体制は随時更新される場合があり、最新の情報は各観光スポットの公式発表で確認できる。

参考公表情報

中華人民共和国文化観光部公式ウェブサイト、故宮博物院公式予約プラットフォーム、八達嶺長城公式ウェブサイト、秦始皇兵馬俑博物館公式サービスプラットフォーム、Trip.com公式ヘルプセンター、Meituan観光チケット利用規約