申請前に把握しておくべき基本情報
中国で教育を受ける目的で入国する外国人は、留学期間に応じた種類の留学ビザ(Xビザ)を事前に取得する必要がある。観光ビザ(Lビザ)、ビジネスビザ(Mビザ)、トランジットビザなど、留学以外を目的としたビザでの正規課程の受講は認められていない。
留学ビザは滞在予定期間により2種類に分かれる。
- X1ビザ:中国での学習期間が180日を超える長期留学生(正規学位課程、長期語学コース、1年以上の交換留学など)向け。入国後30日以内に居住地の出入境管理部門で外国人居留許可を申請する義務があり、許可取得後は有効期間内の複数回出入国が可能となる。
- X2ビザ:中国での学習期間が180日以下の短期留学生(短期交換留学、数か月の語学コース、短期研修など)向け。ビザに記載された期間内のみ滞在が可能で、原則として入国後の居留許可への切り替えはできない。
留学ビザの申請対象となるのは、中国政府の認可を受けた外国人受け入れ資格を持つ教育機関(大学、高等専門学校、認可済みの語学学校、一部の小中高等学校など)から正式な入学許可を得た外国人である。
準備が必要な書類と条件
申請時に共通して必要となる書類は以下の通りである。
- 有効期間がビザ申請時点で6か月以上残っており、ビザを貼付するための空白ページが2ページ以上あるパスポート原本、およびパスポートの顔写真ページのコピー
- 中国ビザ申請システム上でオンライン記入し、印刷した上で申請者が署名したビザ申請書
- 申請前6か月以内に撮影した証明写真(横33mm×縦48mm、背景白、無帽、正面を向いたカラー写真1枚。申請書の指定位置に貼付)
- 入学予定の中国教育機関が発行した正式な入学許可書の原本およびコピー
- 中国教育部または地方教育主管部門が発行する「外国人留学生来华ビザ申請通知表」(JW201表またはJW202表)の原本およびコピー。同表は公費留学生・政府間交換プログラム参加者にはJW201表、私費留学生にはJW202表が教育機関を通じて発行され、個人で直接発行を申請することはできない。発行日から3か月以内にビザ申請を行う必要がある。
申請者の状況によっては、追加書類の提出が求められる場合がある。
- 18歳未満の未成年者:保護者の身分証明書コピー、親権者の渡航同意書(同伴しない親権者が署名し、渡航期間中の費用負担・保護責任者を明記したもの)、中国国内での緊急連絡先となる保護者の身分証明書コピー
- X1ビザ申請者:指定様式による外国人体格検査記録。自国の公的医療機関で所定の項目の検査を受け、医師の署名と医療機関の印鑑が必要で、検査結果は6か月間有効。地域によっては入国後の居留許可申請時に提出を求められるケースもある
- 元中国国籍者、中国で出生した外国籍者:過去の中国パスポート、または中国出生を証明する書類(出生証明書など)
なお、書類に虚偽の記載がある場合、入学許可を受けた教育機関が外国人受け入れ資格を持たない場合、活動性結核などの指定感染症に罹患し周囲に危害を及ぼす恐れがあると判断された場合は、申請が受理されない、またはビザが発給されない場合がある。
具体的な申請手順
手順1:入学先教育機関から必要書類を取得する
まず入学先の教育機関の入学審査に合格し、入学手続きを完了する。教育機関は所定の手続きに基づきJW201/JW202表の発行申請を行い、発行後に申請者宛に原本を送付する。この段階で自身の留学期間を再度確認し、申請すべきビザの種類(X1/X2)に誤りがないか確認する。
手順2:管轄窓口での申請手続き
自身の居住地を管轄する中国大使館・総領事館、または指定された中国ビザ申請センターのウェブサイトからオンラインビザ申請フォームに必要事項を記入し、印刷して署名する。必要書類を全て準備した上で、原則として本人が窓口に出向き、書類を提出する。14歳以上70歳以下の申請者は、書類提出時に指紋の採取が義務付けられている。
書類提出時に所定のビザ手数料を支払う。手数料の金額は申請者の国籍、選択する審査コース(通常・緊急・特急)により異なるため、事前に窓口の公式情報で確認する必要がある。
手順3:審査完了後のパスポート受け取り
通常の審査期間は4~5営業日程度だが、入学シーズン(7~9月、1~2月)など申請が集中する時期は審査に1週間以上かかる場合がある。また追加書類の提出を求められた場合は審査期間が延長される。
審査が完了したら、窓口での直接受け取り、または指定された郵送サービスでパスポートを受け取る。受け取り時にはビザに記載された氏名、ビザ種別、有効期間、入国可能回数、滞在可能日数に誤りがないか必ず確認する。
X1ビザ取得者の入国後手続き
X1ビザで中国に入国した場合は、入国日から30日以内に滞在地を管轄する地方出入境管理局に出向き、外国人居留許可を申請しなければならない。この手続きを行わないと不法滞在となり、罰則の対象となる。
手続き上の注意点と制限
- 管轄地域ごとのルールの差異:国や地域によって、追加提出書類の要件、代理申請の可否、受付時間、審査期間、手数料が異なる。一部の地域では留学ビザ申請時に航空券予約確認書や滞在先証明書の提出を追加で求めるケースもあるため、必ず自身が申請する窓口の最新情報を事前に確認すること。
- 書類の有効期限:JW201/JW202表は発行から3か月を過ぎると無効となり、ビザ申請が受理されない。書類到着後は速やかに申請手続きを進める必要がある。また入学許可書に記載された入学日を過ぎると書類が無効となる場合がある。
- ビザの使用制限:X2ビザはビザに記載された回数・期間以外の入国・滞在は認められず、原則として長期居留許可への切り替えはできない。留学期間が180日を超えることが事前にわかっている場合は、必ずX1ビザを申請すること。
- 就労の制限:留学ビザで滞在する留学生が学外でアルバイトやインターンシップを行う場合は、事前に在籍校の許可を得た上で、出入境管理部門で居留許可の備考欄に就労許可の記載を追加する必要がある。無許可での就労は不法就労に該当し、罰金や退去強制の対象となる場合がある。
よくある質問(FAQ)
Q. 留学ビザの申請手続きは全てオンラインで完了できますか?
A. 2024年現在、ビザ申請書の記入はオンラインで可能だが、書類原本の提出と指紋採取が義務付けられているため、全ての手続きをオンラインのみで完了することはできない。指定の申請窓口に出向く必要がある。
Q. 過去に中国ビザを取得したことがある場合も、本人が窓口に行く必要がありますか?
A. 過去5年以内に同じパスポートで中国ビザを申請し、指紋採取を完了している場合は、代理人による書類提出が認められるケースがある。ただし管轄窓口によってルールが異なるため、事前に確認が必要である。14歳未満、70歳以上の申請者は指紋採取が免除される。
Q. フルタイムではない週1回程度の語学レッスンに通う場合も留学ビザが必要ですか?
A. 正規のフルタイムコースを受講する場合以外は留学ビザは必須ではないが、受講する学校がビザの種類を指定する場合があるため、通学先の教育機関に事前に確認すること。
Q. ビザ申請が拒否された場合、手数料は返金されますか?
A. ビザ審査の結果、発給が拒否された場合でも、支払った手数料は原則として返金されない。
Q. X1ビザで入国後、学校を変更することはできますか?
A. 在籍校を変更する場合は、新しい入学先の書類を準備した上で、出入境管理部門で居留許可の記載変更手続きを行う必要がある。手続きを行わずに別の学校に通った場合、不法滞在とみなされる場合がある。
参考来源
- 在日中国大使館 領事サービス ビザ申請案内
- 中華人民共和国国家移民管理局 外国人ビザ・居留許可関連規定
- 中国教育部 外国人留学生受入管理規定